top of page
奥野邦利 Kunitoshi Okuno
「そして美しく 1945」"and beautifully 1945"

[Time/Year/Category]
15min/2018/アート
抽象的な光の映像(moving image)の増幅/反復を基調として、その流れを切断するものに第二次大戦中の記録写真(still image)を配した。極めて緩慢な映像(moving image)は、それ自体が何らかの意味に回収されることを拒み、その流れを切断する記録写真(still image)もまた極めて短い断片でしかない。それは受容者のコンテクストにイメージが回収されることを二重に拒むことの意図を持つ。
ここでの映像体験は作者と受容者との意味の共有を積極的に避け、映像をただ見る故に現れる記憶のメカニズムを顕在化させようとする試みである。明滅的に現れる記録写真(still image)は、アメリカ国立公文書館にてパブリックドメインとして公開されている1945年終戦直後の長崎の三菱浦上兵器工場周辺の記録映像から抜粋したもで、最後の映像(moving image)は同じものを使用しているのだが、この最後の映像(moving image)を見ることが、潜在的に書き加えられた記憶そのものであることを狙いとしたい。
[Link to watch]
[Artist]
1969年東京生まれ。日本大学大学院芸術学研究科映像芸術専攻修了。現在は日本大学芸術学部映画学科へ勤務する傍ら、変容するメディアと物語の関係を軸にした映像作品の制作を手掛けている。近年は彫刻やライブ演奏、演劇など、他領域の作家とのコラボレーションも積極的に進めている。日本映像学会理事。
※掲載情報は公開当時のものです。
bottom of page