作品レビュー「ハッピーロードムービー」執筆:野村建太
- tokyoeizobrig
- 2015年12月10日
- 読了時間: 2分

鑑賞作品:「ハッピーロードムービー」三木はるか
執筆者:野村建太
当初は、女子校を舞台にした劇映画が企画されていました。
カメラ嫌いの生徒会長と顔のよく似た放送部部長が入れ替わり、生徒会選挙の政見放送を混乱に巻き込むという内容で、出演者十数名を全て三木はるかが演じるという企画でした。
私は三木作品の常連として、この企画にアドバイスをしてきましたが、なかなか撮影が始まりません。
髪型や眼鏡が少しずつ違う女子高生にコスプレした三木はるかの、バストショットのみで構成するという制約を、作者の三木はどうしても窮屈に感じたようでした。結果、生徒会選挙の原稿とコスプレ衣装だけを残して、三木は極個人的な撮影方法にシフトしました。
前作『わたしバスガイド、あなたたち修学旅行生』では、塾講師の同僚たちをキャスト兼素人カメラマンとして起用し、その後のイメージフォーラムヤングパースペクティヴでの三木はるか特集を告知するYouTube動画『イメージフォーラムは三木はるかの映画上映をやめろ!』でも同様の方法で撮影しました。荒々しく、未完成そのもののような映像に、本人も満足はしていないようなのですが、しかしそうでなければいけないと言うのです。
「どうして汚く撮れるカメラを敢えて借りて行くの?」という私の質問に、三木はるかは答えられませんが、彼女の動物的感性が、それを求めてしまうようなのです。


